2004 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀中葉のオランダ対アジア外交政策(1850-70)-日本問題を中心にして-
Project/Area Number |
03J09304
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小暮 実徳 明治大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 19世紀オランダ対アジア外交史 / シェイス / 日蘭交渉史 |
Research Abstract |
自らの博士論文では、主に1850-63年間のオランダ対日外交政策を扱っている。ここからオランダ王立中央文書館(ARA)所有のオランダ植民省・外務省文書に含まれる同時期の日本関係文書を再検討・再分析し、その中でオランダの対日政策において特に重要と思われた文書を翻字し、史料集を作成した。この量はフロッピーディスクに二枚半ほどになった。当時のオランダ語は現在のと異なるため、現在これはオランダ人研究者のチェックを受けている。将来この史料集は単独で出版するか、あるいは博士論文の付録になる予定である。 この作業を継続する一方で、雄松堂出版新異国叢書第III輯9『シェイス オランダ日本開国論』の最終チェックを行った。本書は2005年8月に出版された。 また財団法人海外職業訓練協会の依頼を受け、『海外・人づくりハンドブック オランダ編」の一部を担当した。これは広くオランダに関する知識を解説するものであり。そのテーマは地理・歴史・文化と幅広く、また現在の教育制度にまで及んだ。この作業の中で、現在と過去のオランダを比較することができ、よい成果となった。すなわち過去と現在においてもオランダは、小規模国家であるが国内は十分豊かであり、またヨーロッパにおいて重要な役割を占めていることが理解された。この本は、来年度初頭に出版される予定である。 自らの博士論文において、更なる検討、特に現在既に出版されている研究成果を十分におさえること、が求められた。そこで19世紀における日蘭外交史、オランダ対外史、英蘭関係史の文献を広く収集し、その分析・検討を行った。博士論文はもっぱらオランダの一次史料から構成されていたが、この作業により自らの研究テーマを、他の文献・研究成果からも補完することができた。この成果は、来年度に必ず成就させたい。
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Research Products
(1 results)