2003 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀中葉のオランダ対アジア外交政策(1850-1870)-日本問題を中心にして
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03J09304
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小暮 実徳 明治大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | オランダ対アジア外交史 / 日蘭交渉史 / 日本開国期 / オランダの帝国主義 |
Research Abstract |
指導教授三宅立先生と研究打ち合わせを行い、指導を受けた。その際教授は、私の博士論文が主にオランダ国立中央文書館(ARA)が所有するオランダ植民省・外務省の日本関係文書から構成されたことから、この次は当時の新聞を史料として、新しい論文を作成されたらどうかと助言された。 この博士論文作成の際、日本開国当時、一般のオランダ国民はどのように日本問題を観察し、またその関心はどの程度であったかとの問題が生じ、残っていた。さらに博士論文内で提起した「オランダにとって日本は、単なる蘭領東インドの出先機関に過ぎなかった」とのオランダにある通念は妥当であるかとの問題に関して、別の角度から回答を与える必要があった。これらの諸問題に回答を与えるためには、当時一般に膾炙した新聞を用いて歴史を構成、再現する作業が最適と思われた。そこでこの教授の助言に従った。 この作業内では、主にオランダ国立図書館(KB)において、同図書館がマイクロフィルムで所有するオランダの新聞「ロッテルダム新聞」から、日本用件の記事を検索・複写・収集し、その後検討・分析を行った。その際特に、アメリカのペリー提督が日本に来航した1853年から、日本用件が、同用件にほとんど興味を持たない外務省にオランダ植民省から移管された1863年までの10年間に注目した。本年2月国会図書館における作業とその分析が終了し、その後論文として構成し、現在ほぼ完成した。この新しい論文は「オランダ国民の日本用件への関心(1853-63)-主にロッテルダム新聞に掲載された日本関係の記事に注目して」という題で、次年度出版したいと希望している。
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Research Products
(1 results)