2004 Fiscal Year Annual Research Report
動物の消化管微生物の制御による共役リノール酸生成の増強
Project/Area Number |
03J09328
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
福田 真嗣 明治大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 共役リノール酸生成 / Butyrivibrio fibrisolvens / 共役リノール酸還元酵素 / Bifidobacterium breve |
Research Abstract |
発酵食品・飼料および消化管内(プロバイオティクス)での共役リノール酸(CLA)生成量を増強することを目的として、CLA生成能の高い消化管内細菌、Butyrivibrio fibrisolvensを用いたCLA生成の増加方法を検討した。最初に共役リノール酸還元酵素(CLA-R)を精製し、その特性について調べた。電気泳動の結果から、分子量は約50kDaと推測された。LC-MS/MS解析により得られたアミノ酸配列は未知配列であり、本酵素は新規タンパクと考えられた。CLA、リノール酸、またはオレイン酸などの高級不飽和脂肪酸を添加して培養した場合、菌体あたりのCLA-Rタンパク含量が増加したことから、CLA-Rの合成は高級不飽和脂肪酸により高められると考えられた。また、エチルメタンスルホン酸を用いて作製した高級不飽和脂肪酸によるCLA-R合成の誘導が起こらない変異株では、CLAが蓄積したことから、CLA-R活性(量)を低下(減少)させれば、CLAの蓄積量が増加すると考えられた。今後はこの変異株を用いて、CLA-R合成の調節機構を明らかにする予定である。また、プロバイオティクスとしての利用を考え、B.fibrisolvensとCLA生成能をもつBifidobacterium breveの併用の利点について検討したところ、CLAの生成・蓄積、および乳酸と酪酸の生成が増大した。従って、これら2菌の併用は有利と思われた。
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Research Products
(2 results)