2005 Fiscal Year Annual Research Report
動物の消化管微生物の制御による共役リノール酸生成の増強
Project/Area Number |
03J09328
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
福田 真嗣 明治大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 共役リノール酸 / CLA / Butyrivibrio fibrisolvens / プロバイオティクス / ペット動物 / 家畜 |
Research Abstract |
発酵食品・飼料および消化管内(プロバイオティクス)での共役リノール酸(CLA)生成量を増強することを目的として、CLA生成能の高い消化管内細菌Butyrivibrio fibrisolvensの新規菌株を分離し、それらの利用によるCLA生成の増加法を以下の2つの方法で検討した。 1.反芻動物のトランス・バクセン酸(t-VA)摂取量を増加させることにより、乳および肉中のCLA含量を増加させる間接的な方法。 2.単胃動物へCLA生成菌をプロバイオティクスとして導入することにより、腸管内でのCLA生成量を増加させる直接的な方法。 1について:t-VAとはCLAが還元されることにより生成されるC18:1脂肪酸であり、特に反芻動物の生体内ではこのt-VAからΔ9不飽和化酵素によりCLAが生成される。我々は、t-VA生成能の非常に高いButyrivibrio fibrisolvens MDT 10株と生成されたt-VAを菌体内に取り込む能力が高く、反芻動物の下部消化管までt-VAを輸送できると考えられるBifidobacterium adolescentis HF 11株を分離し、これらの菌株をルーメン微生物混合系に添加することでt-VA生成量が劇的に増加することを明らかにした。 2について:我々はヤギのルーメン内からリノール酸異性化酵素活性は非常に高いがCLA還元酵素活性を実質上持たないため、CLA生成能が非常に高いButyrivibrio fibrisolvens MDT-5株を新たに分離した。本菌株をマウスに経口投与したところ、盲腸内容物、結腸内容物、および糞便中のCLA量が増加し、さらに脂肪組織中のCLA含量も約3倍に増加した。従って、本菌株をプロバイオティクスとして利用することで消化管内でのCLA生成量が増加し、宿主動物の健康維持に貢献でき得る可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)