2005 Fiscal Year Annual Research Report
再生産労働の商品化と国際移動:フィリピン中国、および日本の相互依存関係
Project/Area Number |
03J09334
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
安里 和晃 龍谷大学, 経済学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 外国人家事労働者 / 外国人介護労働者 / グローバル化 / 階層化 / アジアNIES |
Research Abstract |
今年度シンガポールを中心に調査を行った。施設介護においては、エスニシティによる介護の階層化が見られ、看護師はシンガポール人、介護労働者はフィリピン人とミャンマー人、そのほかはスリランカ人などと階層化されている。こうした階層化は、台湾やアメリカでもみることができ、グローバル化する介護は、同時に階層化をも伴っていることが明らかになった。その原因の1つはスキルの相互認証の動きにも関わってくる。スキルの認証をめぐっては、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアが制度化をはじめており、送り出し国側からの国際標準化を狙った新たな動きがみられる。このことは送り出し国もグローバルな競争のアクターとなっていることを示唆する。 今年度は、本研究課題の最終年度にあたり、研究成果をできる限り公表することに務めた。第1は雑誌論文などへの投稿であり、台湾、シンガポール、日本の外国人家事・介護労働者に関して4本が掲載された。第2は、新聞、ラジオ、雑誌などの取材への対応である。この研究は時事性があるため取材されることも多かったが、フィードバックの1つとして、マスコミに対しても研究成果を公表してきた。またシンポジウムや勉強会のゲストとしても対応した。第3は、学会での発表である。国内で4つ、海外で2つ(Women's Worlds 2005:ソウル梨花大学)ソウルと(Asia-Pacific Sociological Association, Mahidol University, Bangkok)の会議に出席し発表を行った。
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