2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J09335
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
小杉 聡史 龍谷大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 非線形偏微分方程式 / 領域の変形 / 特異摂動問題 |
Research Abstract |
偏微分方程式の解や微分作用素の固有値など、解析的量が領域の形状と密接な関係を持つ事は良く知られている事実であり、その関係を特徴づける研究が多くなされている。今後も領域の形状に起因する特徴的な解の発見や非存在などの進展があると十分期待され、それらの結果は工学などのさまざまな分野で応用されると考えられる。本研究の目的は特異的な領域変形や微分作用素の係数退化などの場合に偏微分方程式の解や微分作用素の固有値を特徴づけ、その精密な解析を与える事である。特に領域に関する特異摂動問題の現在の研究結果を拡張し、スケルトン問題や非線形放物型偏微分方程式の解、アトラクタ及び不変集合について特異摂動の解析方法を模索するのであるが、その際、極限方程式の解の特徴づけは多くの情報を与えると考えられる。 そこでまず、非線型性が比較的易しく取り扱いやすい方程式であるGinzburg-Landau方程式を考察することにした。その極限方程式の解の存在などを考察することは今後の問題を取り扱う上で重要な手がかりになると考えている。より具体的には細円環領域の太さについて非一様性を考慮した単純化されたGinzburg-Landau方程式を導出しその解の存在および特徴付けを行なった。円環が一様な太さを持つ場合、その円環に超伝導電流が流れる状態を表す解は比較的容易に構成することができるが、円環の太さが一様でない場合では超伝導電流が流れることをあらわす解が存在するのか明らかではなかった。特に「くびれ」がある場合に焦点をあわせたが、本研究の結果により理論的に解の存在を示すことができた。また同時にその解の特徴からそのくびれの部分に多くの超伝導電流が流れることもわかった。
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