2004 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおける農産加工分野の適正技術協力スキームに関する研究
Project/Area Number |
03J09367
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
荒木 徹也 日本大学, 国際関係学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 適正技術協力 / 参加型開発 / 青果物流通 / プロジェクト・マネジメント / 参画型方法論 / ジャカルタ青果物中央卸売市場 / 再整備計画 / ごみ問題 |
Research Abstract |
今年度(平成16年度)は、インドネシアの首都ジャカルタ市近郊の青果物流通に関するフィールド調査を実施した上で、農産加工分野の適正技術協力の実現可能性について多角的に検討した。具体的には、ジャカルタ市で唯一の公設青果物中央卸売市場であるクラマッ・ジャティ市場を研究対象とし、1.参加型開発理念の適用性と限界、2.数理モデルを用いた同市場再整備計画の実施効果予測、3.同市場ごみ処理システムの三つの観点から分析し、適正技術協力のモデルを提唱した. 同市場の再整備事業は主に卸売業者の利便性向上に貢献していたが、ごみ問題に関しては根本的な対策が実施されていなかった。すなわち、関係者の自発的意思に基づく問題解決に委ねている限り、市場内外の環境倫理面における意識向上効果は得られず、必ずしも参加型開発の理念のみによる実践が望ましい結果をもたらさないものと懸念された。従って、開発事業が個々のプロジェクト・レベルではなく、もう一段上のプログラム・レベルでの成果(Outcome)を生み出すためには、トップダウン型、ボトムアップ型および合意形成型の3類型のいずれをも含めた包括的なアプローチが不可欠であるものと示唆された。 以上の成果は、投稿論文として計3報にまとめ、日本国際地域開発学会が発行する学術雑誌である『開発学研究』に現在投稿中である。(著者名:古山龍哉・荒木徹也・相良泰行、1.『クラマッ・ジャティ市場の再整備事業にみる参加型開発理念の適用性と限界-PCM手法による市場合理化に関する問題分析-』、2.『ジャカルタ市青果物中央卸売市場の再整備計画に関する研究-適限搬入量推算モデルを用いた再整備計画の実施効果予測-』、3.『ジャカルタ市およびクラマッ・ジャティ市場内のごみ処理システムに関する研究-開発事業におけるプログラム・レベルでの包括的アプローチのための三類型-』)
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Research Products
(1 results)