2004 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスコア蛋白による転写因子Ets-1の活性化
Project/Area Number |
03J09387
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
青木 宏 日本大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | HCVコア蛋白 / シグナル伝達 / MAPキナーゼ / 転写活性化 |
Research Abstract |
申請者はHCVコア蛋白を発現するHepG2細胞において、Raf-1/MAPK依存性に転写因子Ets-1 mRNAが発現亢進していることを見出し、HCVコア蛋白発現に伴うEts-1およびMMP-7の活性化について検討を行った。 (1)HCVコア蛋白発現細胞におけるMMP-7 mRNAの発現亢進についての検討:HCVコア蛋白を安定的に発現するHepG2細胞(HepΔNCTH細胞)よりRNAを抽出し、RT-PCR法を用いてMMP-7 mRNAの発現量を比較検討したところ、HepΔNCTH細胞におけるMMP-7 mRNA発現量は、親株HepG2細胞に較べ有意に増加していた。MAPK kinase (MEK)阻害剤PD98059存在下ではHepΔNCTH細胞におけるMMP-7 mRNAの発現量は有意に抑制された。 (2)HCVコア蛋白発現細胞におけるMMP-7蛋白の発現亢進についての検討:抗ヒトMMP-7抗体を用いたELISA法によりHepΔNCTH細胞の培養上清100μl中のMMP-7蛋白発現量を検討したところ、親株HepG2細胞の培養上清中に分泌されるMMP-7蛋白に較べ(約4倍と)有意に増加していた。 (3)ザイモグラフィーを用いたMMP-7蛋白の活性化の検討:抗ヒトMMP-7抗体を用いた免疫沈降法によりHepΔNCTH細胞の培養上清からMMP-7蛋白を精製し、ゼラチン添加SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分離した。電気泳動後のゲルをrenature bufferにインキュベートし、0.1% Coomassie blueにて染色後脱染し、ゲル画像をスキャニングして観察・解析を行った。対象のHepG2細胞の培養上清(無血清培地添加後24時間後)にはほとんど活性化MMP-7蛋白が存在しなかったが、HepΔNCTH細胞の培養上清中からは活性化MMP-7蛋白が検出された。
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