2005 Fiscal Year Annual Research Report
バンコマイシン耐性腸球菌のバシトラシン耐性化阻害法の開発
Project/Area Number |
03J09389
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
津田 啓方 日本大学, 歯学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | bacitracin resistance / two-component system / ABC-transporter / VRE / regulation / Streptococcus mutans / transcriptome |
Research Abstract |
本研究ではStreptococcus mutans (Sm)のバシトラシン耐性に関与している遺伝子を同定し、それらの遺伝子産物によるSmのバシトラシン耐性メカニズムとそれらの遺伝子産物の発現調節機構を分子レベルで解明し、バシトラシン耐性菌の出現に対する対処法の可能性を検討することを目的としている。 昨年までにバシトラシン耐性に関与しているmbr領域とrgp領域を決定し、それらの遺伝子が独立した機構によりSmにバシトラシン耐性を付与していることを示した。また、mbrAB遺伝子の発現誘導がSmのバシトラシン耐性獲得に最も重要であることを示した。本年度は、まず、mbrC、mbrDの欠失変異株のバシトラシン作用時における遺伝子発現変化をリアルタイムRT-PCR法で調べた。それによると、mbrCD欠失株においてmbrABは発現誘導されなかった。これにより、mbrCDがmbrABの発現誘導に関与している事が示唆された。また、バシトラシン作用時に5倍以上発現誘導された遺伝子については、mbrCの欠失では発現誘導が抑えられたが、mbrD欠失では弱く発現誘導していた。それらの遺伝子はmbrCによって発現誘導が制御されているが、mbrDにはあまり関係ないかあるいはmbrD以外のものに発現制御されている可能性があることが示唆された。これらのことから、mbr遺伝子とその産物がSmのバシトラシン耐性機構抑制のターゲットとなりうることが示唆された。それらのリコンビナント蛋白を大腸菌にて作成し、それらの分子レベルの性質を調べようといろいろ試みたが、mbrC以外のリコンビナント蛋白の作成は困難であった。
|