2003 Fiscal Year Annual Research Report
空間スケール構造を考慮した食物連鎖の長さの決定機構の解明
Project/Area Number |
03J09516
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀧本 岳 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | ヒエラルキー / プレスパタベーション / 他生性資源 / 時間スケール / 安定同位体 / 食物連鎖 / ギルド内捕食 / メタ個体群 |
Research Abstract |
今年度は、1)群集動態プロセスの時間スケール階層性に関する研究、2)食物網研究を行った。 1)では、ヒエラルキー理論(Hierarchy theory)とプレスパタベーション理論(Press perturbation theory)を応用し、時間変動する他生性資源(Allochthonous resources)の効果が移入先の群集プロセス(被・捕食者の個体群・空間分布動態等)の時間スケール階層構造により決定されるメカニズムを理論化した。また、食物網理論の基盤であるロトカーボルテラ型モデルの一つの欠点は、捕食者の採餌行動と繁殖過程の時間スケールの違いを考慮しない点である。この時間スケールの違いを明示的に数理モデルに組み込み、それが捕食者によるトップダウン効果の強弱を変えないことを数学的に厳密に証明した。 2)では、窒素と炭素の安定同位体分析により、バハマ諸島の食物連鎖長の定量化と島間比較、とくに食物連鎖長と島面積・攪乱強度との相関を調べている。またギルド内捕食(Intraguild predation)のメタ個体群モデルを作成し生態系サイズ・攪乱強度・局所生産性の食物連鎖長への複合効果を調べている。さらに米国ロングアイランド湾で、島生態系の海産性資源への依存性と島地形構造との関係を同位体分析・定量サンプリングにより調べている。
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Research Products
(1 results)