2003 Fiscal Year Annual Research Report
酸発酵細菌群の特定と機能解析による都市下水汚泥の効率的な嫌気性消化技術の開発
Project/Area Number |
03J09640
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 嫌気性消化 / MAR-FISH / 微生物群集構造 |
Research Abstract |
都市下水汚泥の嫌気性消化汚泥のBacteriaの群集構造は、多くが未同定のクローンに近縁であり複雑多様であったが、divisionレベルでは主にFirmicutes, Bacteroidetes, Proteobacteria, Chloroflexiに分類された。中でもFirmicutes内の群集構造は多様性に富んでいた。一方、複合基質としてミルクを用いた実験室規模嫌気性消化汚泥の群集構造はBacteroidetes, Spirochetes, Chloroflexi, Proteobacteria, Firmicutesが多く検出され、divisionレベルでは実プラントの消化汚泥と類似する結果であったが、各グループ内の多様性は小さく、より単純化していた。 MAR-FISHのための条件を、ラクトースおよびグルコースからメタン生成までの一連の分解を約40時間の培養で追跡できる培養条件を設定できた。MAR-FISH法には放射性同位体元素で標識された[U-14C]Glucose、[1-14C]Propionate,[1-14C]Acetate,[14C]bicarbonateを用い、回分試験の結果に基づきMAR-FISH法のための培養条件を設定した。さらに、グルコース存在下で[1-14C]Propionateを投与して行った培養系に対しMAR-FISH法を適用した。[1-14C]Propionateの放射能量を20μCi、培養2時間、Microautoradiographyでの露出時間を5日間に設定することにより、顕微鏡観察下においてEUBプローブにより検出された微生物細胞周辺に銀粒子の形成が認められ、プロピオン酸を分解する微生物群を検出できた。プロピオン酸を分解する微生物はいずれも数μm程度の特徴的なクラスターを形成していた。
|