2004 Fiscal Year Annual Research Report
酸発酵細菌群の特定と機能解析による都市下水汚泥の効率的な嫌気性消化技術の開発
Project/Area Number |
03J09640
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 嫌気性消化 / MAR-FISH / 微生物群集構造 |
Research Abstract |
都市下水濃縮汚泥の嫌気性消化槽汚泥の微生物群集および複合基質としてミルクを用いたラボスケールの嫌気性消化リアクター内汚泥の微生物群集(バクテリアおよびアーキア)の解析を行い微生物データベースを構築した。門レベルでは主にFirmicutes, Bacteroidetes, Chloroflexi, δ-Proteobacteriaが多く検出された。ラボスケールリアクターの群集構造は門レベルでは実プラントの消化汚泥と類似する結果であったが、各グループ内の多様性は小さく、より単純化する傾向が見られた。アーキアの群集構造については都市下水嫌気性消化汚泥ではMethanosaeta sp.に近縁な種が解析したクローンの50%を占め、優占種であると考えられた。一方、ラボスケールの消化汚泥ではMethaosaetaとMethanothrixの両者で解析したクローンの約80%を占めた。複合基質としてミルクを用いたことで酢酸経由のメタン生成反応が優占化されたと推察される。また、MAR-FISH法を嫌気性酸醗酵プロセスに適用するために培養から検出までの各種条件(基質濃度、培養時間、トレーサー濃度、バイオマス濃度)を最適化した。最適化した条件に基づきMAR-FISH法を嫌気性酸発酵プロセスに適用し、Syntrophobacterをはじめプロピオン酸酸化細菌を担う微生物群を特異的に検出できた。また、嫌気性消化汚泥内におけるプロピオン酸分解微生物群の多様性は低いことが示唆された。
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