2004 Fiscal Year Annual Research Report
非線型分散型方程式の大域解の存在とその漸近挙動についての研究
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03J09736
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 泰子 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非線型分散型方程式 / 非線型消散型方程式 / 解の解析性 / 解の分散性 / 数理物理 / 函数解析 / 古典場の理論 / 散乱理論 |
Research Abstract |
非線型分散型消散型の初期値問題の時間大域な可解性及び散乱問題,特に解の漸近挙動の記述についての研究を目的とする.これらの問題は,非線型分散型消散型方程式の時間大域解の新たな函数空間のクラス及び非線型項,分散項,消散項の指数と臨界指数を与え,より精密な解の漸近挙動を記述すると云う目的の上で非常に重要である. 2000年以来私はSchrodinger(NLS)方程式(非線型分散型方程式)を中心に行ってきた.また1970年の後期より『分散項』を含んだ非線型分散型方程式の時間大域解に関する研究は盛んに行われている.その中の一方程式である私の取り組んでいるNLS方程式ついては非線型項の指数と空間次元との間に密接な関係が有り,特に長距離の散乱理論の立場からNLS方程式の非線型項をL^2空間の枠組みでSupercritical, Critical, Subcriticalの3つの場合に分類し特徴付けが出来る.特に,今年度は非線型項に積分項を考え,上述の分類によればCriticalに匹敵する小澤氏と山内氏との共著で解の解析性について書き上げた.また,申請者はSupercriticalな『分散項』の指数が2以上3以下である論文を完成した.このように『枠組み』は,NLS型方程式だけではなく他の種類の方程式にも適用可能と思われるが,現在構築段階にあり完全な状況ではない.申請者はこの『枠組み』を一部にすぎないがこれを構築した. 更に,『消散項』をこれらの式に付随して考えた.特にCritical, SubcriticalなNLS方程式に消散項を加えた場合を考えた.このように,非線型分散型消散型方程式に於ける大域解の存在及び散乱理論に関する研究並びにこれらの研究結果に『消散項』を伴う非線型の取る指数の正確な範囲を明確に,より精密な漸近挙動を表現する事である.
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Research Products
(1 results)