2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J09927
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
辻本 悟史 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | サル / 前頭前野 / ニューロン / 時間 / 報酬 |
Research Abstract |
「前頭前皮質における時間予測のニューロン機構」を明らかにするため、報酬のタイミングを視覚刺激によって教示する眼球運動遅延反応課題をマカクザルに訓練し、前頭前皮質背外側部からニューロン活動を記録する実験を行ってきた。 平成16年度前半には実験1の記録を終了した。解析の結果、多くのニューロンが視覚刺激提示期および遅延期において、報酬の予測時間によって異なる活動を示すことが明らかになった。さらに、これらのニューロンは、視覚刺激と報酬タイミングの連合が逆転した場合でも、同様に報酬タイミングによって異なる活動を示した。これらの結果は、前頭前皮質の一部のニューロン群が報酬の時間的な予測を再現することを示唆する。これらの成果は、学会発表に加えて、国際学術誌のJournal of Neurophysiologyに掲載された。 さらにこれらと平行して、実験2の記録・解析を行った。実験2では、報酬のタイミングをShort, Intermediate, Longの3種類にし、ブロックAでは前者の2つのタイミング、ブロックBでは後者の2タイミングのみを採用した。その結果、実験1で観察された時間予測に関わるニューロンの中には、一方に比べて‘早い'‘遅い'といったような相対的な時間を再現するものと、‘0.5秒',‘2秒'というような絶対的な時間を再現するものが存在することが明らかになった。この成果の一部は、10月にサンディエゴで開催された北米神経科学会にて発表した。 さらに、記録終了後には脳を固定して摘出し、記録部位を同定するための実験を行った。今後この記録部位の詳細な検討や、ターゲットの空間位置とニューロン活動との関係など、さらなる解析を進め、研究成果をまとめてゆきたい。
|
Research Products
(5 results)