2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J10032
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 麻希 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハロロドプシン / NMR / Halobacterium salinarum / Natronobacterium pharaonis / ラベル体 / 変異体 / Flash Photolysis |
Research Abstract |
本年度はハロロドプシンのクロライド輸送活性を研究するために、NMR測定用のラベル体調製、可溶化条件の検討、Bヘリックスの役割の検討、S130変異体におけるアニオン輸送活性、クロライド結合サイトを構成しているアミノ酸残基を変異させた試料の調製を行った。 まず、NMR測定のためラベル体の作製をおこなった。^<15>Nラベル体を作製し、NMR測定(HSQC測定)を行ったところ分離が悪く、C末端のヒスチジンタグ部位しか帰属できなかった(国内学会発表1件)。分離が悪いのは、可溶化条件が悪く、オリゴマーを形成しているためであると考えられるため、可溶化条件の検討を行った。いろいろな界面活性剤に可溶化させ測定を行ったが、結果は変わらなかった。さらなる検討が必要である。 また、Bヘリックスの動きをNMRで観察するために、Ala残基のメチル基を^<13>Cラベルした試料を調製することができた。ラベル化率や測定はまだ行っていない。 Halobacterium salinarum由来のハロロドプシンは、硝酸イオンの輸送活性はクロライドと比較して低下するが、我々の研究に用いているNatronobacterium pharaonis由来のハロロドプシン(phR)ではクロライドとほぼ同程度に輸送する。その活性を調べるためにtitrationやFlash Photolysisを行い検討した。その結果、ハロゲンの場合とは異なった活性を示すことが明らかになった。(投稿準備中) 2000年のX線結晶解析から予想されるphRのクロライド結合サイトにあるアミノ酸を異なったアミノ酸に置換した試料を作製した。取り込み側としてR123を、放出に重要であると予測される残基K215とT218の変異体を作製し、シークエンスを行い、きちんと変異が入っていることを確認した。今後、CD測定、titration、Flash Photolysis測定を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sato M, Kikukawa T, Araiso T, Okita H, Shimono K, Kamo N, Demura M, Nitta K.: "Ser-130 of Natronobacterium pharaonis halorhodopsin is important for chloride binding"Biophys.Chem.. 104(1). 209-216 (2003)
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[Publications] Sato M, Kikukawa T, Araiso T, Okita H, Shimono K, Kamo N, Demura M, Nitta K.: "Roles of Ser130 and Thr126 in chloride binding and photocycle of pharaonis halorhodopsin"J.Biochem.(Tokyo). 134(1). 151-158 (2003)