2003 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの葉分化過程における新奇AS2ファミリー遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
03J10045
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
田中 左恵子 (北倉 左恵子) 中部大学, 応用生物学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | AS2ファミリー遺伝子 / 葉分化 / 分子生物学 |
Research Abstract |
シロイヌナズナの葉身の形が左右非対称になる変異体として単離されたasymmetric leaves 2(as2)の原因遺伝子は新奇なタンパク質をコードする。AS2タンパク質と類似のアミノ酸配列をコードする遺伝子は植物に多数存在し、AS2ファミリーを形成している。今年度は、AS2ファミリーのメンバーで、AS2とアミノ酸配列の類似性が高いASL1,ASL2遺伝子の機能を調べるために、シロイヌナズナの根、子葉、本葉、茎頂分裂組織、花芽、花におけるASL1,ASL2の転写産物の蓄積を調べた。ASL1の転写産物はすべての器官において蓄積しており、ASL1とASL2の発現様式と似ていた。ASL2の転写産物は花芽と花において多く蓄積していた。次に、ASL1,ASL2,ASL3遺伝子にT-DNAの挿入がみられる変異体のスクリーニングを行った。その結果、asl1-1,asl1-4,asl1-5,asl2-1,asl2-2,asl2-3,asl2-4,asl3-1の変異株を単離した。現在、解析に使用しているasl1-4とasl2-4はASL1とASL2のコード領域内に、asl3-1はASL3の第一イントロンにT-DNAが挿入されている変異株であることを確認した。asl1-4において、ASL1の転写産物が蓄積していないことをRT-PCR法で確認した。asl1-4,asl2-4,asl3-1の変異をホモに持つ単独変異体は野生型の形態を示した。このことよりASL1,ASL2,ASL3は他の遺伝子と重複した機能を持っていることが考えられた。次にas2-1とasl-4との二重変異体を作成した結果、as2-1単独変異体の表現型と顕著な違いは見られなかった。変異体の観察結果と発現様式の結果は、AS2とASL1が重複した機能を持っていることを示唆している。現在、これらを用いて多重変異体の作成を進めている。
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