2006 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの葉分化過程における新奇AS2ファミリー遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
03J10045
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
田中 左恵子 (北倉 左恵子) 中部大学, 応用生物学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | シロイヌナズナ / 葉分化 |
Research Abstract |
as2変異体、as1変異体、as2過剰発現体において、植物ホルモン関連遺伝子や、葉などの器官分化に関係している遺伝子の発現量の違いを、網羅的に調べることを目的として、マイクロアレイを行った。その結果、茎頂部分で特異的に発現しているクラス1knoxホメオボックス遺伝子の発現量が、野生型と比べて、変異体で上昇しており、過剰発現体では低下していた。これは以前に発表されている結果と矛盾しない結果である。これに加えて、AS2過剰発現体において、オーキシン応答遺伝子の発現を調節する遺伝子の発現量が、野生型と比べて上昇している結果が得られた。このことは、AS2遺伝子産物が、オーキシン応答遺伝子の発現調節に、直接的もしくは間接的に関与している可能性を示している。また、葉の背腹性に機能している遺伝子の発現量が、as2変異体で低く、過剰発現体で高いという結果が得られた。今後、この遺伝子とAS2遺伝子の関係を調べることによって、葉の背腹性の詳細な分化機構が明らかになることが期待される。 Agrobacterium tumefaciensのT-DNA上に存在する、6b遺伝子の過剰発現体を用いて、マイクロアレイを行った。その結果、6b過剰発現体において、クラス1knoxホメオボックス遺伝子や、細胞周期のM期で機能している因子をコードする遺伝子の発現量が上昇していた。これらの遺伝子は、6b遺伝子の過剰発現体の葉において、異所的に発現していた。以上の結果より、6b遺伝子産物が、細胞増殖誘導遺伝子の転写を調節しているという可能性が示唆された。これらの知見をPlant and cell physiology誌に発表した。
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Research Products
(1 results)