2003 Fiscal Year Annual Research Report
タイおよびラオスにおけるチベット・ビルマ諸語の研究
Project/Area Number |
03J10124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 高志 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 言語学 / タイ / ラオス |
Research Abstract |
ノートパソコン、ミニディスクレコーダー、テープレコーダーなど、言語調査に必要な機器を購入し、タイおよびラオスにおいて言語調査を行った。また、オーストラリアで学会発表を行った。 タイにおいては、チェンマイ県メーテーン郡のリス族の村でリス語の調査を行った。具体的には、民話の録音、歌の録音、儀式の言葉の録音および調査を行った。特に、ツペクアという、とうもろこしの収穫を祝う祭りの際に行われた儀式の言葉の詳細な分析を行うことができた。 ラオスにおいては、ポンサーリー県、ルアンナムター県など北部諸県で話されているチベット・ビルマ諸語の調査を行った。具体的には、パナ語、プノイ語の方言、黄ラフ語(クイルアン語)、アカ語の方言の基礎的な語彙を300語収集した。それを分析した結果、ルアンナムター県で話されているパナ語は、19世紀末の研究で報告されているベトナムのパナ語とかなり異なっていること、ワニュ語に似ていることなどが分かった。また、ルアンナムター県で話されている黄ラフ語(クイルアン語)は、わずかな語彙的、音韻的な違いはあるものの、タイで話されている黄ラフ語バンラン方言に似ていることが分かった。 オーストラリア・メルボルンで開催された国際シナ・チベット言語学会において研究発表を行い、ラオスにおけるチベット・ビルマ諸語の概要を最新のデータを基に報告した。論文のタイトルは、Tibeto-Burman languages of Lao P.D.R : in a new ethnic classincationである。
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