2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J10125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
兼岡 理恵 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 風土記 / 地誌 / 写本 |
Research Abstract |
1,『風土記』写本調査 本年度は『風土記』の研究史を再検討するという趣旨のもと、内閣文庫・静嘉堂文庫をはじめとする各地の文庫・図書館に所蔵される『風土記』関連の写本調査-特に『風土記逸文』を中心に-を行った。従来の写本研究では、写本の系統調査が主なる目的とされていたが、本調査では写本の伝播を現・旧所蔵者の関連などから辿ることで、『風土記』の受容と伝播を明らかにすることを主眼とした。その成果が「南葵文庫旧蔵『風土記逸文』について-その成立と伝来-」(『古事記年報』46平成16年3月刊行予定)である。本稿は、東京大学総合図書館所蔵の写本の分析により、近世末期における地方国学者の『風土記』受容の一端を明らかにしたものである。さらに、主に近世の『風土記』受容の在り方として、国学との関係、郷土意識の形成とのつながりなどの観点から『風土記』受容史をまとめると同時に、近世における地誌編纂事業と『風土記』研究の関連性について再検討をすすめている。 2,風土記関連遺跡の探査 『風土記』の遺称地として、国内では出雲地方を訪れ、島根半島および奥出雲の『出雲国風土記』関連の地を踏査した。また国外では、韓国国立中央博物館学芸師・李鎔賢氏の案内のもと同館所蔵の木簡・石碑の見学をはじめ、扶餘・慶州を中心とする三国時代の遺跡・遺物等を見学した。
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Research Products
(1 results)