2004 Fiscal Year Annual Research Report
帝政ロシア内務省と国内統治改革-内相プレーヴェ期を中心として
Project/Area Number |
03J10127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
草野 佳矢子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ロシア / 近代史 |
Research Abstract |
4月から9月末まで、1903年に実施された西部諸県における地方統治制度の改革に関する資料の分析と同時に、論文の作成を進めた。9月末から10月末までロシアで、資料収集を行った。まず、サンクト・ペテルブルク市の国立歴史文書館においては、西部諸県における地方統治制度改革に関する資料を中心に、内務省の地方統治政策に関する資料の閲覧、筆写、複写を行ない、同市のロシア・ナショナル図書館においては、内務省の活動に関する刊行資料や同時代の時事評論、回想録、また最近の研究文献や学位論文の概要を収集した。モスクワにおいては、主に国立図書館の分館にて、本研究のテーマに関わる学位論文の閲覧・複写を行なった。中でも、本研究に直接関係する問題を扱っているA.E.イヴァノフの学位論文『プレーヴェ-内務大臣(1902-1904)』(2000)を読むことが出来た。その結果、特に、最近のロシアにおける研究状況や、農民の移住政策等に関して新たな知識を得ることができた。 10月31日には「ウロジェーニエとロシア社会」研究会において、「近代ロシアにおける行政と法」のテーマで報告を行なった。その中で、近代ロシアの司法制度の問題に関連させて、本研究の課題の一部である、20世紀初頭の内務省の県官僚制改革案も取り上げた。11月27日には、早稲田大学西洋史コロキウムにおいて、本研究の中間報告的報告「20世紀初頭ロシアにおける統治構造改革の試み」を行なった。 ロシア国立歴史文書館の移転に伴う長期閉館(平成17年4月初)が明らかになったため、12月にさらに1ヶ月弱ペテルブルクへの出張を行ない、農民の移住政策や労働者政策等に関する資料を中心に収集した。帰国後、資料の整理・分析と論文作成を続けた。
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