2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J10132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今野 元 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ナシャナリズム / ドイツ / ヴェーバー / 国民国家 / ビスマルク / 吉野作造 / 安藤英治 / ポーランド問題 |
Research Abstract |
本来の予定では、平成十五年度中に従来のマックス・ヴェーバー研究に一区切りをつけ、平成十六年度には新しいドイツ・ナショナリストの研究に移行するはずであったが、平成十五年十一月に刊行した拙著『マックス・ヴェーバーとポーランド問題-ヴィルヘルム期ドイツ・ナショナリズム研究序説』に付随する学術作業に本年度も大半の時間を割かざるを得なかった。第一は新著『マックス・ヴェーバーとドイツ国民国家』の執筆である。ドイツ留学中に収集した史料を前著では充分に使用しきれなかったので、それも活用しつつヴェーバーのドイツ・ナショナリズムを総合的に研究する新しい著作を執筆したものである。脱稿は平成十七年三月で、平成十七年度中に刊行に持ち込めればと考えている。第二は安藤英治(故人・成蹊大学経済学部名誉教授)が一九六九年・七〇年に収集したマックス・ヴェーバーに関する史料(インタヴュー・テープ)の刊行である。これは亀嶋庸一教授(成蹊大学法学部教授)との共同作業であるが、翻訳・解説・注釈をほぼ一手に引き受けた。平成十七年二月に入稿を済ませ、同年九月に岩波書店より刊行の予定である。この他ヘルマン・ヘラーの論文「社会主義と国民」の翻訳に従事したが、諸般の事情で訳者として名前を公表することをしなかった。なお平成十六年度は、二度の外部での講演を行った。七月一七日の現代史研究会における講演「マックス・ヴェーバーとポーランド問題」(青山学院大学)、十一月一二日の北海道大学法学部政治研究会における講演「マックス・ヴェーバーと反ユダヤ主義」(北海道大学)がそれである。 平成十七年度は当初平成十六年度に予定していたビスマルク研究、吉野作造研究(ドイツ・ナショナリズム研究の発展版してドイツに関係した日本人の政治思想を研究するもの)に邁進するほか、ナショナリズム理論の研究にも従事する予定である。
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