2005 Fiscal Year Annual Research Report
極東アジアにおける北方先史社会文化の構造についての考古学的研究
Project/Area Number |
03J10146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 正宏 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 考古学 / 北海道 / アムール / サハリン / 新石器時代 / 初期鉄器時代 / 続縄文文化 / オホーツク文化 |
Research Abstract |
紀元前2千年紀〜紀元後800年の極東アジアにおける北方先史社会文化の構造的研究のため,これまでに行ってきた調査成果や関連データの集成・検討を経て,北日本から極東露西亜の考古学諸様相を総合的に研究した。 なお今年度は,おもにこれまでに実施してきた日露両国における現地調査の成果を整理し,極東アジア全域の歴史的脈絡のなかで研究対象としてきた分野を位置づけることに努力した。そして,総括的な見解を学術論文・調査研究報告書・口頭発表というかたちで学会に提出した。 具体的な研究の内容と実績は,以下の通りである。 1 平成15〜16年度に実施したロシアハバロフスク州ゴールィムィス1遺跡の調査と研究によって獲得した成果をアムール下流息の新石器〜初期鉄器時代の文化変遷のなかで整理した。そして,その結果を日本考古学協会および日露英文による単独出版による調査研究報告書で発表した。 2 平成15〜16年度に行なってきた調査成果をもとに,アムール下流域・サハリン・北海道の新石器〜初期鉄器時代における文化の変遷と配置構図の検討結果を総括的にまとめ,学会発表した。それにあたって,過去になかった新規の研究分野であったため,徹底した文献収集および国内外の研究者との意見交換を各地でおこなって,周辺諸分野での事情をふまえながら独自の見解を導き出すように注意を払った。 3 平成15〜16年度に実施した青森県むつ市豚沢遺跡の発掘調査にもとづいた北海道続縄文文化・東北弥生文化の接触に関する研究の成果を中間段階として整理し,調査報告論文を執筆した。
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Research Products
(6 results)