2004 Fiscal Year Annual Research Report
応用一般均衡モデルによる環境政策の社会経済学的分析
Project/Area Number |
03J10187
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥島 真一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 一般均衡モデル / 環境政策 / 環境税 / 廃棄物 / リサイクル / エネルギー |
Research Abstract |
本研究は、環境政策が日本の経済社会に与える影響について分析、評価し、適切な対策を行うための政策提言を目的とするものである。今年度は以下のような成果を得た。 1.本研究で用いる廃棄物・リサイクル政策分析用モデルODIN-WRの整備を行った。具体的には、廃棄物税やリサイクル促進政策などの影響をより総合的に評価できるように静脈部門を中心にモデル構造、データの改良等を行った。 2.そのODIN-WRモデルを用いて、廃棄物・リサイクル政策、具体的には、廃棄物税とリサイクル補助金のポリシーミックスが我が国経済に与える影響について評価した。分析結果によれば、政策実施により静脈産業が大きく成長、リサイクルが進展するため、動脈産業の生産に対する悪影響は軽少で済む。さらに、我が国の廃棄物最終処分量を削減するためには、一次財間(動脈産業間)の価格代替よりも、一次財から二次財(動脈産業から静脈産業)への価格代替の方が圧倒的に経済効率的である。 3.また、これまで研究を進めてきた一般均衡モデルをパラメータ推定に利用する新手法(多時点カリブレーション法)を発展させ、1970年から95年の我が国のエネルギー消費量の変化を要因別に分解した。結果は以下の通りであった。我が国では1980年代以降、価格代替効果で説明できない石油非使用型技術変化が生じている。他のエネルギーについても、70年代以降、電力使用、石炭非使用の方向に要素偏向型技術変化が生じている。ガスに関しては、90年代、価格要因で説明できる以上に、ガス使用の方向に技術変化が起きている。
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Research Products
(3 results)