2004 Fiscal Year Annual Research Report
衛星画像を用いたグローバルな人間の活動分布の把握と地震被害想定への応用
Project/Area Number |
03J10287
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高島 正典 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | DMSP / 都市光 / リモートセンシング / 社会動態推定 / 地震被害想定 / 復旧・復興過程 / 都市圏 |
Research Abstract |
本年度の成果は以下の3点である。1つ目に、従来DMSP可視領域センサのゲイン制約により飽和しがちであった大都市域内における都市光強度推定精度の向上をめざし、ある期間における画素毎の観測値の分布形状を考慮し,ゲイン制約がなかった場合の各画素の都市光強度中央値を推定する手法を開発した。この検証の結果、新手法に基づく都市光分布の方が,人口分布をより精度高く反映していることが明らかとなった。これにより,都市光強度がゲイン制約により飽和しがちの地域においても,都市光と他の社会・経済統計との関係の分析が可能となった。 2つ目に、フィリピン・マニラ近郊のマリキナ市を分析対象エリアとして,建物棟数推定に必要な土地被覆分類を高解像度衛星画像を用いて行った。この高解像度衛星画像に基づく土地被覆分類と、フィールド調査で得られるGPS付ビデオカメラ映像との組み合わせにより,建物統計情報が未整備な地域においても,地震被害想定を行うには十分な精度の建物種別・密度情報が得られることが明らかになった。 3つ目として、阪神・淡路大震災の復旧・復興プロセスを被災地の都市光強度の時間変化からの把握を試みた。その結果、被災直後の日単位の都市光強度変化の追跡においては,被災の影響が現れるものの,その後の月単位の都市光強度変化の追跡においては,被災の影響が現れておらず,阪神・淡路大震災クラスの災害イベントでは,都市光強度の時間変化から復旧・復興プロセスをモニタリングすることは難しいことが明らかになった。
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Research Products
(5 results)