2003 Fiscal Year Annual Research Report
地表・地下における撓曲成長の相関関係を利用した短縮帯における地形成長モデルの構築
Project/Area Number |
03J10325
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越後 智雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 東北日本 / 逆断層 / 撓曲 / 反射法地震探査 / 地形成長モデル |
Research Abstract |
本研究は,短縮変形域での地震性地殻変動に伴う地形成長モデルの構築を目指す事を目的としている.地震時に生じる地殻変形のメカニズムは,地下深部で発生している現象のため直接的に確認することはできないが,反射法地震探査などの物理探査やボーリングデータの解析によって地質構造を可視化することが可能である.一方,地震性地殻変動の累積によって生じる地形は,地表で3次元形状を定量的に捉えることが可能である.そこで,双方のデータを総合的に取り込むことにより,従来の調査研究では十分に発達過程は検討されていない「撓曲」変形の成長過程に注目することとした. 撓曲変形は,断層が地表に到達しておらず顕在化していないため,地表部のみでは得られる情報は限られてしまう.そこで,本研究を進めるにあたっては,地下の地質構造を含めてその性状を検討することが必要不可欠である. 今年度は,研究対象地域としている東北日本の中でも,地表での短縮変形と表層付近の地下構造が比較的解明されている秋田県横手盆地東縁において現地調査を実施した.本年度は,3ヵ年の初年度ということで,研究に必要な基礎データの取得が中心となった.現地での作業内容は以下の通りである. 1)地表における短縮変形に伴う変形形態把握のための測量を実施. 2)該当地域に分布する河成段丘の離水年代を示す炭化物や火山灰等の年代試料の採取. 3)他グループの反射法地震探査に参加し,地下約1km程度の構造調査のデータを取得. 以上の3点の他に,典型的な撓曲変形帯を有する北海道を比較研究対象として取り入れた.北海道地質研究所が実施したトレンチ調査を見学するため,帯広,富良野の現地へ出向き,撓曲変形が極表層でどのような構造を形成しているかについて観察を行った.
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Research Products
(1 results)