2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J10371
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 周 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Harish-Chandra modules / regular spherical variety / perverse sheaf / semisimple Lie group |
Research Abstract |
実半単純Lie群のユニタリ表現を含む代数的概念であるHarish-Chandra加群は無限小指標による直和分解を持つ。また、無限小指標を固定したHarish-Chandra加群の圏は無限小指標の同値類に関して圏同値を除いて有限個の可能性しかない。今、半単純Lie群の複素化Gが代数群であるとする。また、Kを極大コンパクト部分群の複素化、BをGのBorel部分群とする。Beilinson-Bernstein対応とRiemann-Hilbert対応の合成によって自明表現と同じ無限小指標をもつHarish-Chandra加群の圏は旗多様体G/B上のK同変偏屈層の圏と圏同値になる。この圏は引き戻しと降下の合成によってG/K上のB同変偏屈層の圏とも圏同値である。ここで、G/Kには標準的な代数多様体としてのG同変コンパクト化が存在し、その閉G軌道はGの極小方物型部分群Pによる一般化された旗多様体G/Pとなっている。さて、G/Pの捩れ付きB同変偏屈層の圏は一般化された圏0と呼ばれるタイプの表現の圏と同値になる。さて、このような構造はG/Kをより一般の正則な球等質空間G/Hに取り替えてもほぼ同じであるという事が知られている。そこで、漸近挙動をみる関手をnearby cycle functorを用いて定義してG/H上のB同変偏屈層の圏をG/P上の捩れ付きB同変偏屈層の圏への完全で忠実な関手を構成し、その基本的な性質を調べた。上記の構成は実際にはひとつの関手ではなく関手の族を与える。その中の主要部分がいわゆるJacquet関手に一致するとの予測を立てているがそれはまだ証明できていない。 なお、上記の件に関連して6月と9月に行われた研究集会において講演を行った。
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Research Products
(2 results)