2004 Fiscal Year Annual Research Report
GerbeにもとづくChern-Simons理論の量子化
Project/Area Number |
03J10377
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五味 清紀 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 滑らかなDeligneコホモロジー / ループ群の中心拡大 / Segal-Witten相互法則 / Steenrod平方作用素 |
Research Abstract |
Lie群U(1)のループ群の(レベル2の)中心拡大は,群の2コサイクルによって与えられる.この2コサイクルは,滑らかなDeligneコホモロジーのカップ積で記述できることが知られている.この点に着目して,U(1)のループ群の中心拡大の一般化として,コンパクト有向奇数次元多様体の滑らかなDeligneコホモロジーの中心拡大を定義して,その性質を調べた.主な結果は以下の通りである. 1.上記の滑らかなDeligneコホモロジーの中心拡大は,考えている多様体の次元が4k+1の時,そしてその時に限り,中心拡大として非自明である.特に1次元多様体の場合には,上記の中心拡大は,U(1)のループ群の中心拡大に一致する. 2.上記のコンパクト有向4k+1次元多様体の滑らかなDeligneコホモロジーの非自明な中心拡大を「複素化」したものを考える.すると,コンパクト有向4k+2次元の境界つきRiemann多様体に対して,Segal-Witten相互法則の類似物が成立することがわかる. 3.上記の非自明な中心拡大の無限次元Hilbert空間上への連続ユニタリー表現を具体的に構成できる.この構成法で得られる表現の同値類のうち,相違なるものの数は高々有限個である.この上限は,考えている多様体のBetti数を使って記述することができる. また,上記の中心拡大の研究において,滑らかなDeligneコホモロジーのカップ積とSteenrod平方作用素との関係が見つかった。
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Research Products
(4 results)