2004 Fiscal Year Annual Research Report
離散系列のヴィラソロ頂点作用素代数とムーンシャイン頂点作用素代数の研究
Project/Area Number |
03J10379
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐久間 伸也 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 頂点作用素代数 / ムーンシャイン |
Research Abstract |
RをADE型のルート格子とする。格子√<2>Rに付随する格子頂点作用素代数V_<√<2>R>において、Rの各ルートαに対してイジング模型を生成する中心電荷1/2の共形元ω(α)が与えられ、またそれらすべてのω(α)と可換な共形元ω_Rが与えられる。M_Rをω_Rと可換なV_<√<2>R>の元全部からなる集合とする。M_Rはウエイト0の空間が1次元でウエイト1の空間が0である頂点作用素代数であり、そのウエイト2の空間はω(α)で張られていて、グライス代数と呼ばれる正定値不変内積をもつ可換代数になる。特に、Rのランクが24を割るとき、M_Rは部分代数としてムーンシャイン頂点作用素代数に含まれている。本年度はこれらの頂点作用素代数M_Rについて研究を行った。 頂点作用素代数Vが中心電荷1/2の共形元eを含み、その次数を保つ作用素e_1がV上に1/16の固有値を持たないとき、e_1のV上の固有値は整数Zまたは半整数1/2+Zであり、それぞれの固有空間上に1または-1として与えられる線形写像σ_eはσ^2_e=1となるVの自己同型になる。これらσ-自己同型は3-互換群を生成することが知られていて、M_Rの共形元ω(α)に対応するσ-自己同型たちはいくつかの3-互換群を実現している。本年度の主結果は、M_Rがイジング模型を生成する中心電荷1/2の共形元たちで生成されることを示し、その全自己同型群がσ-自己同型で生成される群になることを決定した。また、ムーンシャイン頂点作用素代数の自己同型群であるモンスター単純群へのいくつかのこのような群の持上げについて研究を進めている。
|