2003 Fiscal Year Annual Research Report
時間パラメータを利用した高温での熱遮蔽コーティングの損傷検出
Project/Area Number |
03J10407
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松村 功徳 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | コーティング / 非破壊検査 / 高温材料 / 損傷 / TBC / 光パルス / 位相 / 時間現象4 |
Research Abstract |
高温使用条件下における熱遮蔽コーティング(TBC)中の損傷発生のメカニズム、特に高温下での損傷発生やその累積の過程を明らかにすることを目的として、以下に述べる、(1)材料条件を変化させた標準損傷試料の作製、(2)損傷の詳細な観察とモデル化、(3)材料条件と物理特性の較正曲線の作成、を行った。 (1)材料条件を変化させた標準損傷試料の作製 コーティング層厚さを100〜500μmと変化させたTBC材料を用い、1150℃で保持時間10、50、100、200hの熱暴露を行い、異なる損傷条件の標準損傷試料の作製を行った。 (2)損傷の詳細な観察とモデル化 トップコート(TC)層及びボンドコート(BC)層の損傷状態のSEM観察を行った。TC層中、BC近傍、BC層中にはそれぞれ固有の損傷が発生していることが確認された。また、熱暴露時間が長くなるにつれてTC層中及びBC近傍、BC層中の損傷は増加しており、TBC中の損傷の累積が観察された。 (3)材料条件と物理特性の較正曲線の作成 物理特性として、可視光領域(波長λ=350〜1500nm)での全反射率測定、また、赤外領域(λ=1.4〜10μm)での直線反射率の測定を行った。可視光反射率では表面形状の影響を大きく受けた一方、赤外反射率はTBC中の損傷状況により変化することが確認できた。このことから、赤外領域の反射率を測定することによって、TBC中に生じた損傷を評価できることが明らかとなった。また、この結果を基に、クラック密度と反射率の関係を求めることができた。
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[Publications] Matsumura K, Naganuma T, Kagawa Y: "All oxide ceramic multilayer coating for high-temperature thermal energy window"ADVANCED ENGINEERING MATERIALS. 5. 226-228 (2003)
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[Publications] Matsumura K, Kagawa Y: "Spatial and temporal spreading behaviors of light in glass particle-dispersed epoxy matrix composites evaluated by pico-second order light pulse profile"JOURNAL OF MATERIALS RESEARCH. 18. 2644-2652 (2003)
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[Publications] Kagawa Y, Naganuma T, Matsumura K, Zhu S: "High-temperature light reflection spectrometer for thermal energy window coating"AMERICAN CERAMIC SOCIETY BULLETIN. 82. 9301-9305 (2003)