2003 Fiscal Year Annual Research Report
都市施設を対象とした空間解析手法の提案及びそれを実装するGIS解析ツールの開発
Project/Area Number |
03J10458
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩出 志乃 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特別研究員(PD)
|
Keywords | GIS / 空間分析 / ネットワーク / 分析ツール |
Research Abstract |
近年における空間データの高精度化、及び、低コスト化に伴って大量のデータを的確に収集・管理・分析する必要が生じてきた。この流れに沿って本研究は、未だ分析手法の整備が遅れている道路単位の細密なデータに注目し、道路ネットワーク上での空間データ解析を行う分析手法を提案すると共に、提案した手法をGISソフトの拡張機能として開発・実装し、今後の空間データ解析分野の進展に寄与すること研究目的とした。分析手法としては、これまで平面空間を対象として用いられてきた空間統計手法の一つであるセルカウント法に焦点をあて、それをネットワーク上の点分布を集計・分析する手法「ネットワーク・セルカウント法」として拡張することを試みた。研究の柱は、(1)新しい手法の提案、(2)ツール開発、(3)手法の応用、の三つである。15年度は,これらのうち,(1)と,(2)の一部を達成した。 まず、新しい手法の理論的枠組みを確立させた((1)に相当)。具体的には,点データの集計に先立って行われるセル分割に焦点を当て、ネットワークをネットワーク・セルに分割する計算アルゴリズムを構築した。次に、分割したセルをもとにネットワーク上の点オブジェクトを集計し、集計データに対して検定等の統計手法を適用した。その結果,平面空間上での分析による結果と比較した場合,著しく異なる結果が得られるということを発見した。 次に、線データと点データの効率的な管理に適したデータ構造を模索し、ネットワーク・セルカウント法を実現するコンピュータプログラムをC++言語を用いて作成した((2)に相当)。現在,そのプログラムに汎用性を持たせるため,開発したプログラムをGISソフトの拡張機能に組み込む作業を行っている。 また,上記の(1)(2)とは別に,空間分析手法の中でもセルカウント法と並んで頻繁に用いられる,クラスター検出のための手法(クランプ法)を,ネットワーク空間上で行うための理論構築を進めた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 塩出志乃: "ネットワーク・セルカウント法を用いた点分布の分析及び平面セルカウント法との比較"地理情報システム学会講演論文集. 12. 1-4 (2003)
-
[Publications] 塩出志乃: "ネットワーク上における一空間補間手法の提案及び平面上における補間法との比較"地理情報システム学会講演論文集. 12. 97-100 (2003)
-
[Publications] 加藤琢磨: "都市における自動販売機の空間分布に関する分析"地理情報システム学会講演論文集. 12. 355-368 (2003)
-
[Publications] Atsuyuki Okabe: "Handbook of Goegraphic Information Science", Chapter 4: Spatial Analysis on a Network Using GIS"Blackwell Publishing. 300 (2004)