2004 Fiscal Year Annual Research Report
爆発的噴火の機構解明のためのマグマ破砕および混相流の数値的研究
Project/Area Number |
03J10492
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門野 典子 (三谷 典子) 東京大学, 地震研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 爆発的噴火 / マグマ破砕 / 無次元数 / 火道モデル / 火砕流 / 堆積物 / 離散要素法 / 粉粒体 |
Research Abstract |
マグマ性の火山噴火が爆発的になるにはマグマ破砕が鍵を握っていると考えられている。マグマ破砕とは、マグマ中に気泡が分散するマグマ気泡流が火道中を上昇する減圧過程で噴霧流へと遷移する現象を指す。近年、気泡の周囲に働く粘性応力がマグマの引っ張り強度を超えることによるマグマ破砕が提唱されたが、マグマの物性や火道の地質条件は多様であり、圧力などの破砕時の詳細な状態は明らかにされていない。そこで本研究は、破砕時の状態と爆発的噴火におけるマグマ物性や地質条件との関係を数値的および解析的に調べた。モデルでは定常一次元の火道内の運動に球状セルモデルを用いて気泡成長をカップルさせ、マグマは粘性流体として扱った。そして破砕状態は流れが火道壁から受ける粘性抵抗とマグマの引っ張り強度の比である無次元数で表されることを明らかにした。これはマグマ破片中のガス体積分率がマグマの粘性率、噴出率、および火道半径で表されることを意味し、その関係は幾つかの大規模噴火の野外観測結果と整合的である。そして、この破砕状態の関係を用いることによって、爆発的噴火の簡潔な解析解を導出することに成功した。 さらにこのような爆発的噴火は火砕流を伴う。その堆積物の主な特徴の一つに、大きい破片の密度およびサイズによる垂直方向の分離が挙げられる。軽石は上方に重い岩片は下方にそれぞれ集中し、軽石の場合はサイズが大きいものほど上方に堆積し、岩片はサイズが大きいものほど下方に堆積する。よく見られるもう一つの特徴は、サイズに依らずに軽石が上方に岩片が下方に集中して堆積する。これらの火砕流堆積物の構造を生じるメカニズムを探るため、マトリックス粒子と密度およびサイズの異なる異物を含んだ粉粒体の粗い斜面上の流れを2次元離散要素法で数値的に調べた。そしてマトリックス粒子から受ける浮力や粘性抵抗によって、密度およびサイズ分離構造が起きることを示した。
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Research Products
(4 results)