2006 Fiscal Year Annual Research Report
爆発的噴火の機構解明のためのマグマ破砕および混相流の数値的研究
Project/Area Number |
03J10492
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門野 典子 (三谷 典子) 東京大学, 地震研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 爆発的噴火 / マグマ破砕 / 無次元数 / スケーリング則 / 噴出率 / 空隙率 / 破砕強度 / 粘性抵抗 |
Research Abstract |
マグマ性の火山噴火が爆発的になるには「マグマ破砕」が鍵を握っていると考えられている。申請者はこれまでに、爆発的噴火におけるマグマ物性や地質条件と破砕時の状態との間のスケーリング則を確立させるために、定常一次元の火道内の流れに気泡成長をカップルさせ、マグマを粘性流体として扱うモデルを構築し、数値的および解析的な研究を行った。 その結果、破砕時の圧力や空隙率などはマグマの粘性率、噴出率、火道半径、およびマグマの引っ張り強度を用いた無次元数で表されることが明らかになった。この無次元数は火道壁からマグマが受ける粘性抵抗の応力とマグマの破砕強度の比を表したものである。無次元数が大きいほど、気泡周囲の粘性応力が成長しやすく、破砕しやすい、すなわち、高圧、低空隙率で破砕することがわかった。無次元数と空隙率の関係は幾つかの爆発的噴火の野外観測結果と整合的であり、得られたスケーリング則が実証性の高いものであることを示している。 これらの研究成果は国内外のいくつかの学会で公表され、また、投稿論文の原稿がほぼ仕上がった段階である。今年度は気泡周囲に働く粘性応力の空間依存性を取り入れ、得られたスケーリング則が破砕条件によらない普遍的なものであるかどうかを検討して、論文としてまとめるためのまとめを行った。また、衝撃波管を用いたマグマ破砕の理論的研究における考察、討論を行い、その結果は論文として投稿された。
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