2004 Fiscal Year Annual Research Report
酵素反応を利用した多重情報取得バイオシステムの開発
Project/Area Number |
03J10517
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野津 英男 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | バイオセンサー / 光触媒 / リソグラフィー / 超撥水 / 親疎水性 / 酵素 / 藻類 |
Research Abstract |
光触媒リソグラフィーの技術を利用した電極表面のパターニングについて研究を進めてきた。疎水性のシランカップリング剤または疎水性のチオールをそれぞれITO電極または金電極に修飾して作製した疎水性表面にパターニングを施した。特にサブμmの金微粒子膜に疎水性チオールを修飾すると、Wenzel式に従い疎水性が強調されて超撥水性表面が得られることを見出した。この超撥水性表面に光触媒によって(非)接触分解処理を施すと表面は親水化し、さちに処理を続けると超親水表面となることも見出した。この親水性表面では疎水性の有機化合物が光触媒により酸化分解されて、酸素含有官能基が導入されていることをXPS分析などで確認した。さらに光触媒を塗布したフォトマスクを用いて光触媒リソグラフィーを行うと、μmオーダーのサイズまでパターニングが可能であった。保護シールと金のスパッタ装置によりパイレックスガラス上に自作したフォトマスクでも、100μmオーダーのパターニングが可能であることも確認した。光触媒リソグラフィーを施した基板電極上には、酵素や藻類の水溶液を親水部分のみにキャストすることが可能であった。グルタルアルデヒドを用いた架橋法や、ポリL-リシンとポリスチレンスルホン酸を用いたポリイオンコンプレックス法により、キャストされた酵素や藻類を膜として固定化できることを確認した。蛍光色素で標識した酵素を用いることで、蛍光顕微鏡観察によりフォトマスクのパターンどおりに酵素が固定化されていることを確認できた。同様の手法により藻類もマスクのパターンどおりに固定化されていることが確認できた。 現在は光触媒リソグラフィーを施した電極の電気化学特性について研究を進めている。チオール修飾金電極においては、光触媒での処理時間の増加にともない酸化還元種のレドックス応答が増加していくことを確認している。一方ITO電極ではCVでシグモイダルの応答が得られ、処理により酸化生成したSiO2がポーラス構造で残留していることなどが推測される。
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Research Products
(1 results)