2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物に由来する細胞株を用いた、プリオンタンパク質の機能に関する研究
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03J10664
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
林田 直樹 金沢大学, 学際科学実験センター, 日本学術振興会特別研究員PD
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Keywords | プリオン病 / イヌ型プリオンタンパク質 / 構造変換 |
Research Abstract |
イヌがプリオン病感染に抵抗性を持つか否かを調べるため、ビーグル由来イヌ型プリオンタンパク質(canis prion protein, CaPrP)のクローニングを行なったところ、他の犬種にも共通して保存されておりかつCaPrP配列に特徴的なGly104を有していたほか、犬種間で多型の認められる101番、107番、163番のアミノ酸はそれぞれGly,Asn,Gluであり、これらは他の犬種にも共通して認められる残基であった。 次にこのcDNAを用いて、発現ベクターであるレトロウイルスベクターpSFFにサブクローニングを行った。続いて、エレクトロポレーション法によりエコトロピック性のパッケージング細胞であるpsi-2繊維芽細胞株にトランスフェクションを行ないその陽性クローンを選抜した後、このpsi-2クローンとアンフォトロピックなパッケージング細胞であるPA317繊維芽細胞株との共培養法によりウイルスストックを得た。この後、このウイルスストック溶液を用いてマウス視床下部由来神経細胞株GT1-trkおよびそのマウススクレイピー感染細胞株であるScGT1-trkに対して感染を行ない、ポリクローナルなCaPrP発現細胞株をGT1-trkおよびScGT1-trkそれぞれにおいて4系統樹立した。現在、ウエスタンブロッティングの系を調節することにより、マウスのプリオンタンパク質およびCaPrPの発現を検出している段階である。ウエスタンブロッティング系の調節後、CaPrPの構造変換の有無が判別し次第、論文投稿を行なう予定である。
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