2003 Fiscal Year Annual Research Report
死因決定・評価(異状死届出・検死・鑑定)に関する研究
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03J10700
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武市 尚子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 異状死届出 / 検死 / 解剖制度 / 死因決定 / 鑑定 / 医療情報 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
1.司法解剖が行われた被害者遺族に関する調査について 平成15年4月から平成15年7月まで、司法解剖が行われた被害者の遺族を対象として、解剖が遺族の心情に与える影響及び解剖の結果である死因が適切に遺族に伝わっているかについて、調査票によるアンケート調査及び電話によるインタビュー調査を行った。その結果、法律上・捜査上の様々な困難が伴うものの、遺族は死因を知ることを強く求めていること、死因を知ることがその後の心情や紛争の経緯にも影響を与える可能性があることなどが示唆された。これらの結果については近日中に学術雑誌に投稿予定である。(倫理審査委員会承認済) 2.ドイツの異状死届出、解剖、鑑定制度について 平成15年8月から平成16年1月まで、ミュンヘン大学附属法医学研究所において実態調査、資料収集を行った。また滞在中に検察官、医事紛争の調停所スタッフ、弁護士へのインタビューを行った。この調査を通じて、ドイツでは日本同様異状死の明確な定義が法文上存在せず異状死か否かを判断する医師の専門性や診断レベルの不足が指摘されていること、日本より広い範囲の死体が司法解剖の扱いとなっていること、法医学者は頻繁に出廷し、法律家とコミュニケーションが良くとれていること、医事紛争については患者や医師は、医師と法律家で構成される医師会内におかれた無料の鑑定機関を利用することができ、裁判に至る前にある程度の紛争が処理されていること、法医学教室とこの鑑定機関との連携は今後の課題と思われることなどが判明し、これらについて日本や他国と比較検討した。この結果についてはその一部を下記論文集に投稿した。その他の論点についても学術雑誌に投稿予定である。 3.臓器取扱いなど倫理的問題 司法解剖後の臓器の取扱いについて法律家・病理学者とディスカッションを行い、考察を下記学術雑誌に発表した。
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Research Products
(2 results)