2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J10880
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 俊輔 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 乗数イデアル / 密着閉包 |
Research Abstract |
今年度は,任意余次元の逆同伴について研究した. Ein-Mustata-安田はジェットスキームとモチーフ積分の理論を用いて,全空間が非特異の場合に,LC対の逆同伴を証明した.すなわち,Xを複素数体C上定義された非特異代数多様体とし,Y=Σ^k_<i=1>t_iY_iをXの閉部分スキームY_i〓Xと実数t_i>0の形式和とする.またΔ⊂XをX上の正規有効因子で,Δ〓U^k_<i=1>Y_iを満たすものとする.このとき対(Δ,Y|_Δ)がLCであることと,対(X, Y+Δ)がΔの近傍でLCであることは同値である.私は彼らの結果を,密着閉包の理論を用いて,Δが任意余次元の正規Q-Gorenstein閉部分多様体の場合に拡張した:Z〓Xを,Z〓U^k_<i=1>Y_iを満たす正規Q-Gorenstein閉部分多様体とする.もし対(Z, Y|_Z)がKLT(resp.LC)ならば,対(X, Y+Z)はZの近傍においてPLT(resp.LC)になる.この結果は,ジェットスキームの理論と密着閉包の理論の間に何かしらの関係があることを示していると考えられ,そういった意味でも大変興味深い. 証明のために.F-正則環,F-純環の概念を,環Rとそのイデアルa_1,...,a_k⊂Rと実数t_1,...,t_k>0の対(R, a^<t_1>_1・・・a^<t_k>_k)に対して拡張し,このようなF-特異点対が,双有理幾何学に現れる特異点対と対応することを示した.より正確に言えば,Q-Gorenstein強F-正則型対とKLT対が一致し,Q-Gorenstein純F-正則型対(resp. Q-Gorenstein F-純型対)がPLT対(resp.LC対)になることを示した.この対応と原-吉田によるイデアルτ(a^t)と乗数イデアルΤ(a^t)の対応を利用すると,上述の任意余次元の逆同伴が得られる.
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Research Products
(1 results)