2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J10897
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 直樹 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 量子力学 / 制御理論 / 量子情報 / 誤り訂正 / 数値最適化 |
Research Abstract |
(研究課題1)量子系に対して連続的な測定を行い、その測定データに基づいたフィードバック制御器の設計理論を構築することを目標とする。つまり、ある対象系について、どのような測定を行い、どのような制御構造(具体的には、ハミルトニアンの構造)を与えれば望ましい制御目的が達成できるのかを明らかにする。このことについて、以下の結果を得た。 1.制御理論が直接的に適用可能なダイナミクスの表現を求めた。(2003年度の結果) 2.上記ダイナミクスの平衡点解析を行った。つまり、いかなる制御目標が達成できるのかを明らかにした。特に、純粋状態なる重要な量子状態が平衡点となるための必要十分条件を求めた。 3.上記ダイナミクスに従う状態(量子状態)に対して、制御入力がいかなる効果を及ぼすのかを明らかにした。具体的には、制御理論において開発された「局所可到達性解析」を量子ダイナミクスに適用して、効果的な制御を実現するハミルトニアンの構造を求めた。 (研究課題2)量子情報を伝送する際、通信路から受ける雑音の影響を低減する必要がある。そのため、一般に送信者、受信者の間で情報の圧縮、解凍を行う。このような誤り訂正プロセスの設計を、制御理論で発展を遂げた「LMIに基づく半正定値計画問題」として定式化し、具体的な問題(量子ビットフリップ通信路)に対して解を与えた。本定式化は、多の量子デバイスの設計にも有用な知見を与えるものと考えられる。
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Research Products
(3 results)