2004 Fiscal Year Annual Research Report
ストレージネットワーキングによる次世代ユーティリティ・ストレージの実現
Project/Area Number |
03J10902
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
合田 和生 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ストレージシステム / IOログ / データベース再編成 / ログ適用 / 自律管理 |
Research Abstract |
前年度の研究から引き続き、ストレージネットワークによる共有ディスクアーキテクチャを採用するクラスタシステムに関する動的負荷分散及び動的資源調整に関する論文が学会論文誌に採録された。 研究第二年度である平成16年度においては、昨年度の研究成果であるIOアクセスログの抽出及び可視化機構を応用し、各種DBMSとアプリケーションにおけるデータベース性能悪化要因を検証した結果、データベースの更新操作により発生するストレージ装置における記憶空間の構造劣化がデータベース性能に多大な影響を与えることが判明した。このことから、ストレージ装置内で装置の有するプロセッサおよびディスクキャッシュメモリを動的にデータベース再編成コードに割り当てることにより、ストレージ装置内でデータベースを再編成し、構造劣化を解消し、性能を回復させる自己再編成ストレージ(Self-Reorganizing Storage)なるストレージシステムの基本検討を行った。また、ストレージ装置の有する高い内部帯域を有効利用するための並列パイプライン化データ処理、並びに物理アドレスレベルIOスケジューリング、安全かつ高速にオンライン再編成を実現するためにデータベースログに含まれる物理アドレス情報を利用する高速ログ適用処理(ログ畳み込み及びログ整列)の詳細検討を行った。試作機としてLinuxオペレーティングシステムを有するPCサーバとファイバチャネルSANを用い、商用DBMSであるHiRDB及びオープンソースDBMSであるMy SQLに対応した試作機を実装した。試作機を用いて、主要なデータベース・ベンチマークであるTPC-H及びTPC-Cのデータセットを対象とした実験を行い、構造劣化の解消をストレージ装置内で実現可能であることを実証するとともに、従来的なサーバソフトウェアにおけるオフライン再編成機構との比較において概ね1桁高速に再編成が可能であるとの結果を得た。 以上の研究成果を既に研究会及びワークショップで発表するとともに、論文にまとめ、国際会議及び学会論文誌に投稿した。
|
Research Products
(1 results)