2003 Fiscal Year Annual Research Report
補助干渉計によるTAMA300レーザー干渉計型重力波検出器の高感度化
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03J10915
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
麻生 洋一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 重力波 / 能動防振 / Suspension Point Interferometer |
Research Abstract |
本年度は、補助干渉計製作のために必要な部品の設計、製作、およびテストを行った。 2003年4月から約2ヶ月間は、カルフォルニア工科大学に滞在し、低周波縦防振用バネであるMGASフィルターの開発を行った。まず本実験で使われる懸架システムに最適なMGASフィルターを設計するためのコンピュータープログラムの開発を行った。複次的な効果ではあるが、このプログラムは現在世界中の研究者によってMGASフィルターの設計に用いられている。次にプロトタイプのMGASフィルターを試作し、その性能を評価した。具体的にはMaraging鋼とベリリウム銅という2種類の金属を用いたフィルターをそれぞれ製作し、比較を行った。その結果、Maraging鋼の方がより低周波のバネを製作可能なことが分かった。現在この結果について理論的な解釈を与える論文を執筆中である。また、カルフォルニア工科大学のグループでは、Maraging鋼よりさらに良い特性を与える材質を探すための研究を続行している。 6月からは、補助干渉計用の懸架システム全体の設計を行った。この作業は12月までにほぼ終了し、懸架システムを構成する部品の発注、及び製作を開始した。また同時に、光学部品や電気回路用の部品などの発注も行った。10月には補助干渉計および主干渉計に用いる鏡の特性を評価するために小型の固定干渉計を組、フィネスの測定を行った。結果はフィネス400以上であり、本実験の要求仕様を満たすことが分かった。 2004年1月からは、懸架システムの部分的組み立ておよび、真空にインストールする前の洗浄作業を開始した。また納品された懸架システム部品の検査および修正も行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Ando: "Methods to characterize non-Gaussian noise in TAMA"Classical and Quantum Gravity. 20(17). 697 (2003)
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[Publications] K.Kuroda: "Current status of large-scale cryogenic gravitational wave telescope"Classical and Quantum Gravity. 20(17). 871 (2003)