2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J10937
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 祐 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 宇宙ガンマ線 / 放射線検出器 / テルル化カドミウム半導体 / フーリエ合成光学系 |
Research Abstract |
宇宙ガンマ線観測のための新しいガンマ線イメージャーの開発は、以下の開発段階に分けられる。1、装置として必要な要素技術の新規開発。2、要素技術を用いた新しいフーリエ合成光学系の実証。3、目標性能の実現へむけた、検出器の詳細な特性評価。4、現実的な宇宙観測に向けたイメージャーシステムアセンブリの構築。 このような開発プロセスにおいて、本年度は1、2を重点的に行った。1の要素技術はさらに二つに分類できる。 1.(1)タングステンによるマスク型光学系の新規開発。天体のイメージをより高精度で高いエネルギーまで取得するためには、厚くてピッチの細かいスリットが光学系として必要になる。そこで今回私はメーカーに依頼し、レーザー加工技術を用い、最小で100ミクロン間隔のスリットを1mmの厚さのタングステンで新規開発することに成功した。私は受け入れ試験を行い、100枚のマスクが目標性能を達成していたことを確認した。 (2)主検出器(テルル化カドミウム(CdTe)半導体の1次元ストリップ型検出器)の新規開発。本年度はメーカーと共同で150ミクロンの位置感度をもつCdTeストリップ検出器の新規開発をおこなった。これをアナログ集積回路と組み合わせることで優れたエネルギー分解能と位置分解能を両立するシステムの構築を行い、実際に目標性能を達成していることを確認した。 2.新しいフーリエ合成光学系の実証。以上の達成された要素技術を用いて点源を模擬した放射線源からのイメージ合成を行い、新しい原理であるフーリエ合成光学系を用い、目標の空間分解能を達成することを実証した。 これらの成果は、今年度の日本物理学会春季年会にて発表し、また、来年度のIEEE国際学会にて講演、論文投稿予定である。
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