2004 Fiscal Year Annual Research Report
量子多体系エンタングルメントの幾何学を用いた解析、及びその統計力学への適用
Project/Area Number |
03J11013
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 章雅 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 量子情報 / エンタングルメント / 量子多体系 |
Research Abstract |
現代の情報化社会に将来、革新的変化をもたらすだろうと注目されている量子計算・量子情報処理では、エンタングルメントと呼ばれる非局所的量子相関が、情報処理を行う必須の資源として活用され、同時に量子論の根本にも新しい理解を与えている。本研究は、幾何学的なアイディアを活用することで、量子多体系におけるエンタングルメントの分類・性質、2体系の場合との差異を明らかにし、これらを精巧に活用した量子情報処理や量子多体系の統計力学への適用を研究することを目的とする。 今年度は、前年度に引き続き多体系でのエンタングルメントの性質と量子情報処理への活用を研究した。制御操作によってどのようにエンタングルメントが変換されるかを興味深い3体系で主に解析した。この変換性を決めているエンタングルメントの指標を明らかにすることにより、エンタングルメントの多体間での共有に際しての制限も議論した。これは、多体系ではじめて重要な課題となるだけでなく、量子暗号などの応用面も期待されるエンタングルメントの基本性質である。 国内雑誌にこれらの成果を平易な紹介記事として掲載した。これにより、本課題の成果はもとより、近年注目を集めている量子情報の基本知識や課題を専門外の研究者や学部学生などにも広く認知されたものにし、さらなる興味を持ってもらえるように努めた。加えて記載欄はないが、国内外の研究会で2回の講演と1回のポスター発表を行うと共に専門家と意見交換し、本課題の進展に役立てた。
|
Research Products
(2 results)