2003 Fiscal Year Annual Research Report
ケルビンプローブフォース顕微鏡を用いた半導体ナノ構造の表面物性評価
Project/Area Number |
03J11076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 志亜之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ケルビンプローブフォース顕微鏡 / KFM / InAs / GaAs / 量子ドット / 細線 |
Research Abstract |
これまでに我々は,ケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)測定に際して探針・試料間に働く静電引力が探針・試料間の距離に依存することをシミュレーションや実験を通して示してきた.KFMは、帳常,試料表面の形状を測定するためにカンチレバーを機械的に振動させながら,同時に試料・探針問に働く静電引力を取り込んでこれをロックイン検出することによってポテンシャルフィードバックを行うが,探針・試料間に働く静電引力には形状像測定に伴う探針・試料間距離の周期的な変化による影響が働いているにも関わらず,その影響は実際の測定においてはロックイン・アンプで丸め込まれてしまっている.そこで,静電引力における探針・試料間距離変化による影響を取り除いてポテンシャル測定を行うために,従来のタッピングモードAFMをベースとするKFMに対して,そのポテンシャルフィードバック回路にサンプル・ホールド回路を付加したKFM(以下,SH-KFM)を提案するとともに,その実証実験を行った.実際にSH-KFM測定系を構成し,GaAs平面基板上に形成したInAs裏子ドットに対してポテンシャル計測を行ったところ,InAs裏子ドット内部やドット周辺のwetting layer部分に同心円状のポテンシャル分布がはじめて観測された.SH-KFMのポテンシャル測定における空間分解能は10nm以下と見積もられ,タッピングモードAFMベースのKFMでは世界トップレベルと考えている.試料・探針間に印加する交流バイアスもノンコンタクトモードAFMベースのKFM並みかそれ以下に抑えられ,従って試料表面の電子分布やポテンシャル分布に与える影響も最小限に抑えられることがわかった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shiano Ono, Takuji Takahashi: "Surface Potential Imaging on InAs Low-Dimensional Nanostructures Studied by Kelvin Probe Force Microscopy"Jpn.J.Appl.Phys.. 42. 4869 (2003)
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[Publications] Takuji Takahashi, Shiano Ono: "Sample-and-Hold Imaging for Fast Scanning in Atomic Force Microsopy"Jpn.J.Appl.Phys.. 43. L582 (2004)