2003 Fiscal Year Annual Research Report
細径FBGセンサの位相情報を利用した複合材料中に生ずる亀裂の位置同定に関する研究
Project/Area Number |
03J11149
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水谷 忠均 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | CFRP / ヘルスモニタリング / FBGセンサ / トランスバースクラック / 複屈折 / 逆解析 |
Research Abstract |
本研究では複合材料中に発生する微視的損傷、特にトランスバースクラックの発生位置を材料中に埋め込んだ細径FBGセンサで同定することを目的としている。これまでの知見により、クラックが発生する層に隣接するようにセンサを埋め込むと、クラックに対するセンサの感度が非常に高いことが示されている。しかしながら、この位置にセンサを埋め込んで材料を成型した場合、成型温度と室温との差からFBGセンサに非軸対称な熱残留応力が加わる。非軸対称な熱残留応力は複屈折を誘起し、センサの出力(反射光スペクトル)に影響を及ぼす。本年度の研究成果として、まずは、この複屈折について詳細な考察を行った。3次元の弾性モデルをFEMにより解析し、材料成型後に加わる熱残留応力を求めた。主ひずみ方向に対する光弾性効果を考慮して、光ファイバ内を伝搬するLP_<01>モード同士の結合を行列伝達法により離散的に計算した。その結果、複屈折の影響が大きい場合は、反射光スペクトルのピークが2つに割れ、損傷位置同定のアルゴリズムに大きく影響することが判明した。 次に、位相情報を利用した損傷位置同定のアルゴリズムについても詳細な検討を加えた。このアルゴリズムは先に述べたLP_<01>モードのモード結合方程式の解(複素反射光スペクトル)から初期条件(センサのひずみ分布)を求めるものである。解析的に求めた複素スペクトルにこのアルゴリズムを適用したところ、入力したひずみ分布が再現され、このアルゴリズムが損傷位置同定に適用可能であることを示すことができた。ただし、ここでの複素スペクトルは複屈折を考慮していないものであり、今後は先に述べた複屈折の効果を考慮したアルゴリズムの再構築を行う必要がある。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tadahito Mizutani, Yoji Okabe, Nobuo Takeda: "Quantitative evaluation of transverse cracks in carbon fiber reinforced plastic quasi-isotropic laminates with embedded small-diameter fiber Bragg grating sensors"Smart Materials and Structures. 12(6). 898-903 (2003)