2004 Fiscal Year Annual Research Report
高速かつ高精度なCar-Parrinello分子動力学法の開発
Project/Area Number |
03J11216
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 宗明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 密度汎関数法 / 電場応答 / 非線形応答 / 時間依存密度汎関数法 |
Research Abstract |
Car-Parrinello分子動力学法(CPMD)の電子状態部分である密度汎関数法(DFT)による物性値計算,特に電場応答量の計算では実験値の振舞いを再現しないことがわかっている。これはCPMD法をリアル系に用いたときにも大きな問題とると考えられるため、これを改善する方法の開発を行った。 従来のDFTの汎関数による電場応答量計算では分極率、超分極率を過大に評価する傾向があることが報告されているが、根本的な解決法は未だ開発されていない。そこでこの問題の原因はDFTの交換汎関数の長距離での振舞いが問題であると考え、DFTの交換汎関数の長距離部分をHartree-Fock交換積分で補正する長距離補正(LC)法を応答量計算の計算に適用する理論開発をおこなった。 この方法をまず小さな分子系に対する静的、動的分極率αと静的超分極率βの計算に対して適用して適用性を調べた結果、従来過大な値を算出する傾向が改善され、高精度ab initio法に非常に近い結果を算出することが分かった。 次に大きな系への適用として、push-pull π共役系である、さまざまなCH=CH鎖の長さに対するα,β-nitro aminopolyene (NH_3(CH=CH)_nNO_2)の超分極率(β)の計算に適用した。従来の汎関数であるBLYPやB3LYPでは定性的にも異なる振る舞いをするこれらの物性値を算出するが、本申請のLC法では正しい振る舞いを再現する事ができた。
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Research Products
(1 results)