2004 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物クラスターの特長を生かした環境調和型の選択酸化反応系開発
Project/Area Number |
03J11217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 善直 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポリオキソメタレート / バナジウム / エポキシ化 / 過酸化水素 / 立体選択的反応 |
Research Abstract |
工業的・有機合成的に重要なエポキシドを、アルケンと等量の過酸化水素を用いて高収率、高選択的に得るエポキシ化反応系の開発が求められている。バナジウム2置換ポリオキソメタレート[γ-H_2SiV_2W_<10>O_<40>]^<4->を触媒に用い過酸化水素を酸化剤としたアルケンのエポキシ化反応系について反応条件の最適化を行った。その結果、アセトニトリルとt-ブチルアルコールを混合した溶媒を用いた場合に、過酸化水素と基質を等量用いて1-オクテンなど反応性の低い末端アルケンのエポキシ化が選択率99%以上、収率90%以上で進行した。さらに、本反応系はジアステレオ選択的エポキシ化やジエンの位置選択的エポキシ化といった立体選択的反応においてきわめて大きな立体効果を示すことを見いだした((R)-(+)-リモネン基質で末端8,9-位への位置選択性:99%、3-メチルシクロヘキセン基質でのanti-エポキシドへのジアステレオ選択性:95%)。この立体効果は触媒の活性点であるV-(OH)_2-Vサイトを囲むポリオキソタングステート骨格に由来すると考えられる。さらに、速度論やNMR等を用いて反応機構を解析し、触媒のV-(OH)_2-Vサイトが過酸化水素と反応してヒドロペルオキソ種V-(OH)(OOH)-Vが生成し、次いでこのヒドロペルオキソ種を前駆体として活性種が生成しエポキシ化反応が進行する機構を推定した。
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Research Products
(1 results)