2004 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルスをプローブとした宿主細胞遺伝子の網羅的解析
Project/Area Number |
03J11255
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 寧子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | インフルエンザウイルス / 遺伝子機能解析 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
感染症は人類の脅威であるが、ウイルス感染症に対する我々の武器はワクチンと抗ウイルス薬がわずかにあるばかりで、対処療法が主である。一方、DNA二十螺旋の発見に始まる遺伝子の時代は種々のゲノム・シークエンスの解読を完了し、そこから明らかとなった未知遺伝子の機能解析へと新たな段階を迎えている。それら未知遺伝子の中には抗ウイルス薬のターゲットが含まれる可能性もある。そこで、本研究はインフルエンザウイルスをプローブとしてウイルスの増殖に必要な宿主細胞の遺伝子産物を同定し、その機能を解析することを目的とする。 昨年度は人工的に薬剤で変位を導入することでインフルエンザウイルスに極めて低い感受性を示す細胞(W57/1)の作出に成功した。そこで、本年度はW57/1細胞について解析を進めた。 これまでに、W57/1はレセプターであるシアル酸の発現量は親株と同程度であることがわかった。また、ウイルスの細胞への吸着・進入から核移行までは正常に行われているが、ウイルス蛋白質の合成は極度に減少していることがわかった。 W57/1細胞は調べた全てのインフルエンザウイルスに対して親株よりも感受性が低いが、ウイルス株によってその程度は異なった。そこで、W57/1細胞が極めて低い感受性を示すインフルエンザウイルス(WSN)と比較的感受性を示すインフルエンザウイルス(Mem/88)とでリアソータント(間の子ウイルス)を作製し、W57/1細胞の感受性に関与している細胞側因子と相互作用するウイルス側因子の同定を試みた。その結果、ウイルスポリメラーゼ蛋白質のPB1とPB2が細胞側因子と関与していることが示唆された。
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