2003 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチップ技術を用いた生物活性物質検出システムの開発
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03J11302
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 紳一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マイクロチップ / 微細加工技術 / フォトリソグラフィ / 高粘性感光剤 / 落射型蛍光ユニット / PDMS / 肥満細胞 / ヒスタミン |
Research Abstract |
本年度の研究実績として、まず、高粘性感光剤を用いることでガラスを基板素材としたフォトリソグラフィ法を改良し、通常用いられる金属薄膜を使用しない系を開発した。ここでは、通常用いられるレジスト粘性である34cPよりも,高粘性の800cPのフォトレジスト(OFPR-800)を用い、ガラス基板上へ直接塗布した。この方法により、金属薄膜に関連する工程および装置を省略することができ、簡易にガラス上へ微細道形を施すことが可能となった。この方法の至適条件を検討し、線幅約80umの造形を施すことができた。 次いで、マイクロチップ上の微小空間でも物質を検出することのできる高感度手法として蛍光測定方法を採用し、マイクロチップ分析に適した蛍光分析装置を開発した。ここで開発した落射型蛍光ユニットは新規の蛍光分析装置であり、光ファイバーおよび集光レンズを用いて、高効率に蛍光を検出することが可能である。マイクロチップ分析に特化した装備を付与した設計とし、科学技術振興事業団の出願で特許申請を行った。 ここで開発したマイクロチップ作製技術および蛍光分析装置を利用し、マイクロチップ上へ導入した肥満細胞を用いたヒスタミン遊離反応試験系を構築した。マイクロチップ素材として、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を用い、微細造形を施したガラスをその鋳型として使用した。PDMSマイクロチップは多層構造とし、細胞保持・ヒスタミン遊離反応部と蛍光誘導体化反応部からなる。フィルターを用いてマイクロチップ上に保持した肥満細胞に刺激物質(C48/80)を作用させ、遊離したヒスタミシをo-phthalaldehydeにより特異的に蛍光誘導体化し、蛍光検出した。これにより、導入細胞数に応じたヒスタミンを検出することができ、従来のヒスタミン遊離試験の一連の操作をマイクロチップ上へ集積化することが可能となった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fujii, S., Tokuyama, T., Abo, M., Okubo, A.: "Development of a reflected light fluorescence unit for the microfluidic detection system"micro Total Analysis Systems 2003. vol.7. 391-394 (2003)
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[Publications] Fujii, S., Tokuyama, T., Abo, M., Okubo.A.: "Fluorometric determination of sulfite and nitrite in aqueous samples using a novel detection unit of a microfluidic device"Analytical Sciences. 20(1). 209-212 (2004)
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[Publications] Fujii, S., Tokuyama, T., Abo, M., Okubo, A.: "Simple microfabrication method of glass plate using high-viscosity photoresist for microanalytical systems"Analyst. 129(in press). (2004)