2004 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光指紋法及び成分分布立体計測法に基づく残留農薬・牛海綿状脳症安全性評価法の開発
Project/Area Number |
03J11354
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔦 瑞樹 東京大学, 大学院・農学生物科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 蛍光指数 / 励起・蛍光マトリックス / マルチスペクトルイメージング / 農薬 / 可視化 / 安全性 |
Research Abstract |
現在、農産物の残留農薬測定には試料の破壊を伴う化学分析が用いられており、手間・時間及び計測者の熟練が必要なことに加え、全数検査が困難であるという問題点がある。そこで本研究では、励起波長、蛍光波長及び景況強度の3軸よりなる光学データである蛍光指紋(励起・蛍光マトリックスともいう)と位置情報を同時に取得・解析する「マルチスペクトルイメージング技術」を応用し、光学的手法により残留農薬を簡易に検知する手法の開発を試みた。具体的には、励起波長と試料からの蛍光を観察する波長を自在に変えつつ、試料の各部位からの蛍光をCCDカメラにより計測する「3次元スペクトルイメージングシステム」を用い、純水を塗布し、乾燥した濾紙と、各種農薬(農薬A:ダニコール1000、農薬B:サンマイトフロアブル、農薬C:モスピラン水溶剤、農薬D:ロブラール水和剤)を塗布・乾燥した試料を計測した。得られたデータに対して判別分析を適用したところ、試料を2つの励起・蛍光波長の組み合わせで計測することにより、農薬を塗布した部分を明確に判別できることが明らかとなった。また、同条件で撮影した画像に演算処理を施すことにより、農薬が塗布された部分を強調して表示することが可能となった。そこで各種野菜に使用される農薬Dをネギに塗布し、同様の手法で計測し、判別分析を行ったところ、農薬を塗布した部位を明確に可視化することが可能となった。ただし、用いた農薬の濃度が通常よりも高濃度であったので、電子増倍管を備えた高感度CCDカメラ等を用いることにより、検知限界を実用レベルまで下げることが今後の課題である。
|
Research Products
(6 results)