2003 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスに関わるG蛋白質Rab5のシグナルによる活性制御機構の解明
Project/Area Number |
03J11375
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 康太 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | エンドサイトーシス / 小胞輸送 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質であるRab5は、細胞膜からの小胞の出芽、初期エンドソームへ向けての輸送、融合といったエンドサイトーシス過程全般においてその活性化が必須である分子である。これまでのRab5に関する研究は、主に恒常的な栄養分の取り込み過程あるいは初期エンドソームの融合過程について進められているが、細胞膜からの小胞の陥入、とくに刺激に応じた受容体のinternalizationに関する研究はほとんど行なわれていない。 私はこれまでに新規Rab5結合因子RIN2を同定し、Rab5のグアニンヌクレオチド交換因子として機能すること、および活性化型Rab5とも結合することを報告してきた。また、細胞内でホモ四量体を形成すること、さらに細胞膜からの小胞の出芽を制御する因子;Amphiphysin IIと相互作角することを明らかにしてきた。 本年度は以上をふまえて実験を行い、以下に示す知見を得た。 1)培養細胞においてRIN2が小胞上に局在することを示した。また、この小胞にRab5は局在するが、EEA-1は存在しないことから、初期エンドソームヘ輸送される過程の小胞であることが示された。 2)Amphiphysin IIは細胞質内に一様に分布するが、RIN2と共発現することによりRIN2小胞上にその存在が認められた。 現在は受容体刺激により、これら局在に変化が生じるか検討するとともに、RIN2のRAドメインおよびSH2ドメインに結合する蛋白質の探索を行なっている。
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[Publications] Kajiho, H., Saito, K et al.: "Mechanisms of vesicle transport in polarized cells orchestrated by Rab GTPase"Tanpakushitsu Kakusan Koso. 48(2). 133-139 (2003)
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[Publications] Kajiho, H., Saito, K et al.: "RIN3 : a novel Rab5 GEF interacting with amphiphysin II involved in the early endocytic pathway."Journal of Cell Science. 116. 4159-4168 (2003)