2003 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー老人斑構成因子CLAC-P/XXV型コラーゲンの生理機能の解析
Project/Area Number |
03J11393
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若林 朋子 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アルツハイマー病 / 老人斑アミロイド / コラーゲン / インテグリン / ヘパリン / ヘパラン硫酸 / コンドロイチン硫酸 / グリコサミノグリカン |
Research Abstract |
アルツハイマー病老人斑より生化学的に同定されたCLAC蛋白の前駆体CLAC-Pはコラーゲンファミリー分子に分類され、新たにtype XXV collagen (Col XXV)とも名付けられた分子である。本研究では、CLAC-P/Col XXVを含む膜貫通型コラーゲンファミリーに着目し、その生理機能を解明を目指して主に相互作用分子の同定とその機能について解析を行っている。 これまでに、膜貫通型コラーゲンの中で特に相同性の高いCol XIII、Col XXIIIとCLAC-P/Col XXVがいずれも脳に発現することを明らかにした。また、コラーゲンに対する抗体を作製し、アルツハイマー病剖検脳の免疫組織化学および生化学的検討を行った結果、アミロイドへの顕著な蓄積はCLAC以外に見出されず、アルツハイマー病への関与はCLAC-P/Col XXVに特異的な現象であることを見出した。 また、CLAC-P/Col XXVおよびCol XIIIの細胞外領リコンビナント蛋白質をコラーゲンの構造を保持したまま細胞培養上清から精製する方法を確立し、これを用いてコラーゲン受容体インテグリンとの結合アッセイを行った。in vitroおよび細胞を用いたアッセイより、CLAC-P/Col XXVはインテグリンの基質として認識され、細胞の形態変化を誘導すること、その親和性・インテグリンサブタイプの選択制はCol XIIIとは大きく異なることを示した。 その他、相互作用分子として、ヘパリンを始めヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸などのアニオン性グリコサミノグリカンを同定した。これらのグリコサミノグリカンは膜貫通型コラーゲンの細胞外領域の分泌の制御に影響を及ぼすことを見出したため、現在その詳細なメカニズムを解析している。.
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